近年、目覚ましい進歩を遂げている「再生医療」。従来の方法では治療が難しかった病気や怪我の治療に新たな希望をもたらし、医療の未来を大きく変える可能性を秘めた革新技術として注目を集めています。
再生医療に関する研究は近年にかけて盛んに進められ、研究成果を発表・討論する場として日本再生医療学会が主催する総会が毎年開かれています。2024年の今年も開催地の新潟県にて大きな盛り上がりを見せ、培養装置メーカーである弊社も実際に参加してきました。
今回の記事では日本再生医療学会がどのような学術団体かを説明しつつ、日本再生医療学会2024(第23回日本再生医療学会総会)を総括しました。来年度総会の参加方法もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.日本再生医療学会の概要
1-1)日本再生医療学会とはどんな学会?
日本再生医療学会は、再生医療に関する学術研究の進歩・発展及び育成を図ると共に、人類の健康増進と福祉の向上に寄与することを目的とした学術団体です。(公式HP:https://www.jsrm.jp/ )
再生医療を専門の学問分野とする唯一の日本医学会分科会であり、現在(2024/6/11時点)で約6000名の会員が在籍しています。毎年、日本国内で学術大会を開催しており、2024年は初の開催地となる新潟県で多くの研究発表が行われました。
1-2)第23回日本再生医療学会総会(2024年)の概要
2024年度に開催された第23回日本再生医療学会総会について概要を下記にまとめました。詳細は総会HP( https://www.congre.co.jp/jsrm2024/index.html )でも確認可能です。
名称:第23回日本再生医療学会総会
主催:日本再生医療学会
開催期間:2024/03/21(木)~2024/03/23(土)
開催場所:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター ホテル日航新潟
参加者数:3000名以上
参加費:総会HP記載( https://www.congre.co.jp/jsrm2024/contents/registration.html )
抄録・プログラム内容:総会HPよりDL可能 ( https://www.congre.co.jp/jsrm2024/contents/app.html )※要パスワード
また日本再生医療学会総会は、学術会議や展示会などで表抄録を電子化して閲覧・検索できる電子抄録アプリ(MICEnavi)にも対応しています。ペーパーレスでプログラム内容やタイムテーブルを確認できるほか、メモ機能や発表者への質問機能などもついており、無料でDL可能です。まだお使いでない方や来年度総会へ参加される予定の方は一度下記リンクよりチェックしてみてはいかがでしょうか。MICEnaviの詳細はこちら(https://www.micenavi.jp/index.html)
2.日本再生医療学会2024のプログラム内容
日本再生医療学会2024は大きく分けて次の4つのプログラムで構成されていました。本記事では主要なプログラムであったこちらの4つを、実際に弊社が参加して感じた印象なども交えながら紹介したいと思います。
特別講演
シンポジウム
一般演題(口頭)
一般演題(ポスター)
2-1)特別講演
特別講演は、再生医療分野で特に優れた業績を挙げた国内外の研究者等による最新の研究成果や今後の展望についての講演です。今年度では著名な研究者の方々による講演が10本ほど用意され、再生医療分野全体を包括した話題を含め様々な議題が取り上げられました。また、基礎研究から臨床応用まで幅広いテーマの講演でもあるため、最新の情報を得られる貴重な機会と言えますね。
2-2)シンポジウム
2024年度ののシンポジウムは約50の題材に分けられており、iPS細胞や生態模倣システム(MPS)、オルガノイドなど様々な研究成果や議論が繰り広げられました。また研究成果の部分だけでなく、研究者の人材に関する問題提起や再生医療研究に対する倫理観への見解など、議論の趣旨は多岐にわたっており、特にホットトピックとして遺伝子治療に注目が集まった印象がありました。
2-3)一般演題(口演)
日本再生医療学会総会における一般演題(口頭)発表は、研究者等が自身の研究成果を限られた時間の中で発表する形式です。1演題およそ10分前後で発表されるため、聴講者は端的に研究内容や成果について聴くことができます。演題内容はそれぞれカテゴライズされており、2024年度は3つのカテゴリーがありました。(カテゴリー内容は総会HP(https://www.congre.co.jp/jsrm2024/contents/abs.html)より確認可能です)
また、一般演題は希望者のみ採択が行われ、優秀演題賞が決定されます。
2-4)一般演題(ポスター)
ポスター発表は口演と違い、来場者が自由に回覧しながら研究内容を見て聞くことができるため、より多くの情報を選択的に得ることができます。発表者にとっても来場者とのコミュニケーションができるため、他の研究者との交流ができる貴重な機会になります。2024年度のポスター発表も例年同様に多くの研究者が訪れており、盛況な様子でした。(弊社の特注の培養装置を使用した長崎大学の研究(P-07-4)や京都大学iPS細胞研究財団の研究(P-14-9)もポスター展示されておりました!)
これら以外にも中高生が演者となり研究発表を行う中高生のためのセッションや、企業との共催での研究成果を発表する共済学術セミナーなども並行して開催されており、知見の深まる機会が数多く用意されていました。また、市民公開講座という研究者以外の一般の方も参加可能な機会も設けられており、年齢や属性を問わず学びを得られるプログラムでした。
3.企業展示(ブース出展)
企業展示のコーナーでは、医療機器メーカーをはじめ製薬メーカや化学製品、食品メーカーなども参加しており、来場者は各ブースを回りながら観覧することができます。ここでは多くの企業が自社製品や技術を紹介しており、来場者だけでなく企業側も大変刺激的な時間であったと思います。
(余談ではありますが、培養装置メーカーである弊社ももちろん参加してきました!培養装置を実際に使うユーザーとなる研究者の方々と交流をしながら多くの企業の素晴らしい技術を見れるのは、毎年参加をしていてもとてもワクワクしました・・・!)
4.日本再生医療学会2025への参加方法
最後に、2025年3月20日~22日にパシフィコ横浜で開催予定の日本再生医療学会2025(第24回日本再生医療学会総会)への参加方法をまとめました。シンポジウムや演題など開催項目それぞれで申込期日が異なりますのでご注意ください。6月17日現在で申込期日が未定のものがありますが、こちらは随時更新していく予定です。また、発表者(筆頭演者)は日本再生医療学会の個人会員に限ります。会員でない方は、日本再生医療学会ウェブサイトよりオンラインで入会申込をする必要があります。
日本再生医療学会ウェブサイト「入会のご案内」
シンポジウム公募 | 2024年7月1日(月)~ 7月25日(木)正午 |
演題募集 | 2024年8月1日(木)~ 10月10日(木)正午 |
市民公開講座 | 未定 |
中高生のためのセッション | 未定 |
企業向けの参加項目と応募期日はこちらです。
申込フォームは運営事務局サイトにて参考の上、お申込みください。
共催学術セミナー | 2024年9月30日(月) |
ネックストラップ広告 | 2024年10月31日(木) |
サイン広告 | 2024年10月31日(木) |
最新技術紹介コーナー | 2024年11月29日(金) |
ポケットプログラム広告 | 2024年11月29日(金) |
抄録アプリ広告 | 2024年11月29日(金) |
スクリーン広告 | 2024年11月29日(金) |
PC受付広告 | 2024年11月29日(金) |
CHARGING STATION広告 | 2024年11月29日(金) |
総会ホームページバナー広告 | 2025年1月24日(金) |
5.まとめ
今回は、日本再生医療学会2024(第23回日本再生医療学会総会)についてまとめてみました。
日本再生医療学会総会には、再生医療に携わる研究者の方はもちろん、医療機器メーカーや製薬メーカーをはじめとした様々な企業も毎年多く参加されています。再生医療は医療の最先端を走る分野のひとつとして考えられ、全世界を通して期待されている研究でもあります。日本再生医療学会に興味がある方はぜひ本記事をご参考いただければ幸いです。
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